桂歌丸さんが亡くなった。
長年「笑点」の顔としてレギュラーで活躍した
彼の姿は私が幼少の頃から始まっていた。
それもそのはずで、笑点がスタートしたのは
私が生まれた1966年からだった。
もちろんその頃の記憶は私には皆無だが。。。
初代司会者だった談志さんも二代目の
前田武彦さんも鬼籍に入られて年数が経った。
そして彼らよりも先に天に召されてしまったのが
組んでいた三代目司会者の三波伸介さんだった。
ワンマンでとにかく仕切りまくるいろんな意味での
「圧」が特徴だった。
大喜利内で「対決」。。。の”お仕事”をした。
まさにプロレス的な抗争の演出だったのだが
これが最高に面白かった。なぜならお互い
「容赦ないけどネタ的に面白い」
というプロレス名勝負のような”お仕事”だった。
頃から仕組まれ、もとい始まったらしいのだが
この対決をショーアップしたのはなんといっても
司会の三波伸介さんの存在だったと思う。
急逝した三波伸介さんの跡継ぎは難航したらしく
結局先代の円楽さんが継いだが、三波伸介さんが
築いた「ドタバタ大喜利」を仕切るには上品過ぎた。
そこで組まれたのが「歌丸対楽太郎(後の円楽)」
だった。三波伸介さんの頃のような「圧」は無くなったが
後に歌丸さんが司会になってからもこのアングルは続き
また他のレギュラー陣の「ドタバタ対決」も組まれる
といった展開が今でも引き継がれている。
だがしかし、しかし駄菓子。。。
私的には「歌丸対小圓遊」の頃のようなすごい罵り合い
には思えなくなったので面白さは半減した。
逆に歌丸さんの優しさが見えてしまったのだ。
こういう意味でのショーアップという意味では三波伸介さん
は天才だったと思うし、歌丸さんも小圓遊さんも遠慮無く
「お仕事」を出来たのだと思う。
実を言うと、若い頃の歌丸さんは私はあまり好きでは
無かった。前述の小圓遊さんとの「対決」があった頃は
私は「小圓遊派」だったのだ。1980年に小圓遊さんが
公演先で急逝した時に
『馬鹿が一人で逝きやがって、私は寂しいですよ』
という言葉を歌丸さんが言ったと勘違いし、益々嫌いに
なった。(実際に言ったのは三波伸介さん)
だがしかし、しかし駄菓子。。。
私が大人になり、歌丸さんの名調子を聞くにつれ
すごく安定した存在として感じるようになってきた。
そして後に小圓遊さんとはとても仲が良かったことを
知り、「プロレス的なプロの仕事っぷり」に感動した
ものだった。
私は「プロレス的」という表現をネガティブには
使わない。エンターティメントにおいては
筋書きもその中で展開されるアドリブも当たり前
なのだし、お互いに信頼関係が無ければ「仕事」に
ならない。最近そういう事をバカにして
「どうせ嘘なんでしょ？」という人が多いのが
かなしい。。。
「死んじゃう系弄られネタ」
がニュースの「生前の姿」で出る度に
笑いながら涙してしまう私であった。。。
ご冥福をお祈り致します。。。
了
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