とあるチェーンメールがネットを騒がしているようだ。
こういうデマは昔からあった。
古くは「不幸の手紙」かな。
今から15年前、勤めていた会社の総務部の社員F氏が
血相を変えて私のもとにきた。
「ほうげつさん、クマのウィルスが悪さをするから
消せという情報がメールで来たので消したのだけど
何度やっても、再起動したら元に戻ってくるんです。」
たしかに彼に言われた通り、Windows2000のシステム
フォルダ内にクマのアイコンのファイルが存在していた。
だがしかし、しかし駄菓子。。。
ちょっと調べてみると、これはデマである事が分かった。
幸いにも、この悪者の濡れ衣を着せられた
「クマのぬいぐるみアイコン」
の実行ファイルは、万が一消されても自動復旧するもので
あった。消しても影響しないファイルを悪者にする辺りが
巧妙なデマなのである。
事の顛末が他の社員達に周知された後、F氏は
「クマ殺し」
という、ウィリー・ウィリアムスばりの香ばしいあだ名を
つけられた。
もっともそのクマ殺し、もといF氏が焦った気持ちも
わかるのだ。
直前に、全社的にOutlook Expressのセキュリティホール
(添付ファイルを自動展開してしまう仕様)
をついた「ワームウィルス」が発生し、社内が大騒ぎに
なっていたのである。
今でこそメールフィルタリングは大概のウィルスチェック
ソフトウェアで装備されているが、21世紀初頭はまだまだ
整っていなかったのと、勤めていた会社の命令で導入予算を
ケチったコストを抑えたことから、かなり機能の低いソフト
の導入しか出来なかった。
※念の為、私はソフトの導入には関わっていませんから＾＾；
結果的にワームウィルスに営業部の社員達がこぞって
感染してしまい、その対応の一時窓口
(というより文句や愚痴の言われ先)
にF氏がサンドバッグ状態になっていて、彼は極度の
疑心暗鬼になっていたのだ。
コンピュータウィルスに感染したり、デマに乗せられる人
がバッシングされるのは、結局「自己管理・自己責任論」
が根幹にある。
だがしかし、しかし駄菓子。。。
あの当時、ウィルスに感染したり、デマに乗せられた
人をバカにしていた人も中にはいた。
でも、それでもみな
「次は我が身」
という危機感は持っていたし、当事者を人間的に弾劾したり
村八分にはしなかった。
※ちなみにF氏に「クマ殺し」と言ってた同僚はF氏と
仲良しの人で、ある意味「ネタ」だったのだ。
そもそも昔は今ほどパソコンは流通していなかったし
もちろん「ググレカス」なんて言葉もなかった。
おそらく今よりもウィルス対策にコストも人もかけて
いなければいけなかったのは、情報入手が今よりも
大変だったからである。
今は色んな情報がネットにあるから、妙なメッセや
メールの内容、さらには迷惑電話と思われる番号を
グーグル先生で検索すれば色んな内容が出てくる。
問題は「ググレカス」という意味自体を知らない人も
今の時代はインターネットを使っているということだ。
そういう人の中には、おそらく
「日本語の使い方が変」
とか
「なんでメールやメッセでわざわざ伝えてくるのか？」
なんて疑問が出る前に
「なんとかしないと」
って思う「善意のネット弱者」だっているのだ。
※人に「善意」と「欲」がある限り「詐欺」や「デマ」は
永久に不滅なのですわ。
デマにひっかかった人をブロックするのも、FBの友達解除
するのも
「その人のネット友達との関わり方」
なのだから私はどうこうは言わない。
だがしかし、しかし駄菓子。。。
「私は大丈夫。」「私はあんなことしない。」
という気持ちがあるのだったら、それは考え直した
ほうがいいと思う。
なぜならインターネット上で何らかの表現なりを
している人はみな、どんどん進化した形でこういう事に
遭遇する事があるからだ。
その時にあなたが「絶対加害者にならない」
自信があるならええですけど。
あと、「デマに引っかかる人なんて最低。」
とかディスった事を言ってる暇があったら、もっと
建設的な啓蒙をしましょうや＾＾
そもそもデマに引っかかった奴が悪いんじゃ無くて
デマ流した奴が諸悪の根源なんだから。
それにしても「Jayden K. Smith」って誰なの？
実在する人？もしそうなら
「全世界的な風評被害」
かもね＾＾；
了
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