今どきの若者はとり肉が
「鶏(にわとり)の肉」
だということを知らない人がいるらしいです。
まあ、きっとマスコミが誇張して
伝えているだけだよね。。。きっと＾＾；
かくいう私も子供の頃
だった貧乏な少年でした。
正直言ってカニ味噌の存在を知ったのは
大人になってからです。
ある日、両親が奮発して当時赤羽駅の南口近くに
あった「かに谷」というカニ料理のレストランに
連れて行ってくれたのですが、食べるのは初めて
だったことと、父親がずっと母親に文句言って
いたので、正直何食べたか覚えてませんでした。
それに安いコースだったせいか、余り食べるところが
無かったのを思い出しました。
いまでこそカニ料理は喜んで食べますが、未だに
「家族が平和でいられたかにかまぼこ」
のほうが親しみがあります。
よく「ニセモノ・ホンモノ論」というのがあります。
ブランドを騙って粗悪な物をさも高級ブランドの
ように販売する商売は大嫌いです。
私も扱っている天然石が塗り物だったり熱処理で
蒸着している場合は正直に伝えてます。
着色は悪い事ではありませんし、自然の色には
出せない世界観を出せるから良いのです。
厄介なのはレアな石を騙って人工で作ったり
することです。
大概はニセモノ特有のパターンがあるのですが
精巧なものは中々分からないものです。
ホンモノのカニを食べた事がある人は
かにかまは「ニセモノ」だと分かります。
今はコンプライアンスがうるさい時代なので
紛らわしい表記はNGですが、先日食べた
練り物でつくった鰻の蒲焼き
「うなとと」
はすごくクォリティが高くて驚きました。
「ニセモノ」が「ホンモノ」だと騙そうとする
のは時には犯罪です。
駄菓子菓子。。。
ニセモノだからこそ、人の食を満たす場合もあるし
時には人の心を動かす場合もあります。
これは昔読んだ料理人の伝記からのお話です。
第二次世界大戦の後、復興した東京のとある
レストランに元帰還兵の中年男性が訪れました。
その男性は店員にこう言いました。
「戦地で食べたパイナップルが食べたいんだ」
当時の日本はまだまだ南国の果物は流通が
あまりない時代。こまった店員はシェフに
相談しました。
するとシェフは
「なんとかやってみる」
といって、輪切りにしたリンゴに調味料を加え
軽く煮て、皿に盛り付けました。
「だいじょうぶかな」
と不安そうな店員。
駄菓子菓子。。。
その男性はややおぼつかないナイフさばきで
その輪切りの逸品を切りゆっくりとフォークで
口にした所、涙を流しながら次々と口に運んで
行きます。
「ありがとう。最高のパイナップルだったよ」
とまどう店員にすがすがしい笑顔で男性は伝えました。
「お久しぶりです。お元気でしたか？」
声に驚いた店員の後ろにはシェフがいました。
「やあ、君だったのか！どうりで美味しい
パイナップルだったよ」
そう話す男性は、シェフの声を聞いて再び涙を
流しました。
「私にとってもこのパイナップルは思い出の味なので」
シェフは涙をこらえながら、視線の合わない男性の
耳元で伝えました。
シェフは男性が入店したとき、戦地で共に戦った
戦友である事に気がついていたのです。
そしてその男性が戦地での傷が元で目が殆ど見えない
事も知っていたのです。。。
了
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