先日行ったお好み焼き店「なでしこ」の
マスターの話には実は。。。続きがあった。
前回のお話はこちら。
マスターは私が来店した直後にこういった。
「今日で良かったね。先週は一週間休みやったから。」
聞けば香川で厄除けの為にお遍路さんしていたそうな。
そういえばマスターは四国に行くのが好きだった。
以前も「讃岐うどん巡り」で一週間休んでいたっけ。
マスターの奥さんは今年はお遍路さんの大師廻りで
「大大吉」
を引いたらしい。
私は勉強不足だったので「大大吉」を知らなかったが
文字通り「大吉の更に上」の意味らしい。
更に奥さんは行く先々でおみくじを立て続けに引き
殆どが大吉だったとのこと。
本来なら1回ひけばいいおみくじであるが、話を聞くと
マスター夫婦は去年のトラウマがあったので今回は
こだわったらしい。。。
去年、マスター夫婦は浅草寺でおみくじを引いた。
すると先に引いた奥さんが「凶」を引いた。
「縁起悪いな~、ならワシも引くわ!」
とマスターが引いたら、なんとマスターも「凶」
を引いた。
そもそも浅草寺のおみくじは約3割「凶」が入って
いるのは最近では知られた話になった。
ちなみに私の元友人は4回連続「凶」を引いた^^;
弘法大師は「大吉の上」の「大大吉」を入れて
方や浅草寺は「凶」を多めに入れている。
極端なまでのマーケティングのベクトルの違い
である。
でもどちらもブランディングとしては成功している。
そして飲食についても
「ネガキャンがかえって人気を呼ぶ」
ことが結構ある。
マスターはその代表的なモノとして
「伊勢うどん」をあげた。
「あれってまずいやんか!」
たしかにうどん文化の関西の人からすれば
学校給食で出てくるソフト麺よりもさらに
ゆるゆるのうどんなんて言語道断だろう。
しかもこだわりの飲食店を営んでいる
舌の肥えたおしゃべりなマスターだから
きっと声高に「伊勢うどんのまずさ」
を友人や常連客達に周知する。
「でもな、それがあかんのや。」
マスター曰く、そうやって「まずい!まずい!」
と味覚に敏感な人が言えば言うほど
「伊勢うどんってホントにまずいのか?」
とそれを聞いた人に大きな疑問が出てくる。
私のように毎年お伊勢さん参りする人は
世の中的には”少数派”だ。
つまり一生に1、2回行くかどうかの人の方が
多数派だし、そんな観光客が食べるものはどうしても
圧倒的な供給側の情報や「表の通り道にある店」
に流れていくだろう。
さらに事前にネガキャンを刷り込まれている人は
「まずいのかどうか?」という好奇心もあって
値段もお手頃なことから伊勢うどんを食べる
ということになる。。。そういうことを繰り返して
ネガティブキャンペーンをされればされるほど
伊勢うどんのブランドが定着していくという事だ。
だがしかし、しかし駄菓子。。。
日本のうどんは地方によってかなり「コシ」が違う。
福岡のうどんみたいに柔らかいのが特徴のうどんも
あるし、歯が弱っているご年配の方々にとっては
「コシがあること」自体が足かせになるのだ。
神社・仏閣巡りは時間的に余裕のあるご年配の方々
の方が多数派だろう。
つまり、確実な支持層がある前提でのネガキャンで
あり、更にお伊勢さん参りで疲れている人にとって
伊勢うどん独特のあの甘いツユはいいポイントを
ついてくるのだ。
(見た目も葛切りっぽいし^^;)
つまり、本当に皆がまずいと思うものはアウトだけど
人の出入りが激しく観光地で、さらに一定の人に
支持される味であれば安定したシェアを得られる
ということなのだろう。
なお、伊勢うどんは混雑した時に早く出す事を
前提としている為、最初から20分以上まとめて
煮込んでいるらしい。つまりタイミングによっては
麺の柔らかさが客によって違うこともあると言うこと。
もっとも最初からアルデンテなんてないものだけど。
同じような意味では「赤福餅」もそうである。
勤務先へのお土産で嫌われる代表的な「赤福餅」
さらに旅行や出張帰りでパンパンの荷物の中で
縦置きで運んでしまうと、中身がよれて悲惨な
事になる「赤福餅」
そして夏季限定の本店のみのイートインメニュー
「赤福氷」は、食べ進んでいくと底にある餅が
冷えて固くなっているという「赤福餅」。。。
これだけデメリットがあっても、パッケージは
昔と変わらず、相変わらず取り分けもへらで器用に
扱わないと無残に崩れる。。。「赤福餅」
だがしかし、しかし駄菓子。。。
それでも毎日、各売店では綺麗に売り切れていて
終電近くに買えた覚えが無い「赤福餅」
ここまで来ると、むしろ
「これからも頑なに変わらないでいられるのか?」
と興味を持ってしまう。。。「赤福餅」
つまり。。。
「なんでだろう?」
と思わせている時点で、ブランディングとしては
してやったりなのだろう。
くやしい~~、くやしい~~(byカイジ)
あの味やスタイルが変わったら、一発で終わりやで。」
閉店間際で酔いも回ったマスターはやや不安定な
ろれつの中、いつものドヤ顔を含んだ笑顔でそういった。
名古屋・三重・岐阜の商売って学ぶ所が大きいかも
しれない。。。また近々行こうかな。。。
PS.
私はお伊勢さん参り2回目以降は伊勢うどんも名物
「手こね寿司」も食べてない^^;
でも赤福餅は。。。時々買ってる。。。
了
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